撮影 2017年3月4日


有松の街は、慶弔13年(1608年)東海道筋に生まれた町です。
阿久比庄から移住した竹田庄九郎はじめ8名により開かれ、絞りの名産地として発展しました。
それから400年、特色ある街並みは今も多く残り、絞りの文化と共に日本の美しさを今日に伝えています。
何気なく見たテレビで、この古い街並みで新しい催しがあると紹介されており、早速出かけてみました。
古い街並みに、おひなさまを展示する。これは最近どこの町でもやっていて、あまり珍しくはないのですが、興味を持ったのは夜の部です。
古民家の白壁に切り絵のプロジェクションマッピングを投影するという企画です。

古い街並みの面影を残す旧東海道
昼から出かけて、到着したのは4時過ぎ
街並みには、もう夕日が差し込み始めていました。
旧東海道に足を踏み入れると、
お店のウインドーに軒先におひなさまが飾られています。

格子戸に縄でつるされたお雛様が目をひきます。
有松は絞りの街
のれんはもちろん有松絞り
古いなまこ塀の蔵がいかにも旧東海道の豪商らしく
そびえています。
やはり古い日本建築の重厚感はすばらしい!

江戸時代の貴重な宝物のおひなさまです。
木彫りでできています。

掛け軸も素晴らしい


障子に張られた色和紙がステンドグラスのよう
逆光に浮かび上がり、日本庭園と不思議にマッチしています。

駐車場脇にはこんな展示も・・・・








屋根の上や
ふくらみ始めた桜の木の上に・・・・





まだ6年目ということで、展示されているおひなさまは、まだまだ他の地域と比べ少ない感はありますが・・・・
時刻は17時30分

そろそろ灯りがつき始めます。
6時20分いよいよ切り絵の投影が始まりました。

絞り会館とその前の古民家に映し出される切り絵のプロジェクション


まずは有松絞の文様が浮かび上がります。
絞り会館の壁には、おひなさまが。
足元にも投影が浮かび上がり、花のじゅうたんのよう
向いの古民家にもおひなさま。

映像がか変わりました。・・・・これは何だ?
織田家の家紋と今川家の家紋が入り乱れて・・・・・・
そうか・・・・・桶狭間の戦いを表しているんだ!

織田軍と今川軍が交差して・・・・・
そして・・・・・圧倒的に不利と言われた、織田軍が情報と地形を熟知し、判断力に秀でた織田信長が、この桶狭間において、「尾張に信長あり」と世間に知らしめる事となった、桶狭間の戦い
勝利した織田の家紋が大きく浮かび上がります。
絞り会館の画像も変わりました。


絞り会館の壁面はメルヘンの世界


くじら・・・
そしておとぎ列車




地面への投影が実に効果的!
高所作業車からの投影機も見事にカムフラージュされまったくの違和感なし。
向かいの古民家の映像も変化します。
ひなまつりが来て
春爛漫で花が咲き乱れ
そして桜が満開に咲いて
そして散っていく
秋には枯葉が舞い
冬には雪が
見事に四季が表現されていますね
壁面だけへの投影ではなく、見物客をもスクリーンにして、投影されるので、背中にも映像が・・・・・
風景と一体化させる演出はお見事!
後ろから見ていると群衆の雑踏感は、消えてしまいます。

あっという間に1時間たってしまいました。
寒くなってきたので、そろそろ帰りましょう。

帰り道昼間気が付かなかった、いかにも昭和の駄菓子屋さんもありました。



昼間とはまた違った風情を楽しみながら、帰途につきました。

まだ始まったばかりの企画ですが、とても魅力的な企画だと思います。
映像の迫力ときれいさは、現地に立ってみないと味わえません。
今まで見たプロジェクションマッピングの中でも、他にはない魅力を感じました。
来年もまた開催されることを期待しながら・・・・・。


撮影 2017年3月4日