越前海岸
冬の日本海、風が強く岩にくだけた波が、寒々とした波しぶきとなって、砕け散る。
そんなイメージがあるのですが、おとずれた1月20日は、温暖な春を思わせるようなポカポカの日でした。
北陸高速、米原あたりには、残雪がかなり多く真っ白でしたが、敦賀に近づくにしたがって、だんだん少なく
ICを降りる頃には雪も全くなくなってしまいました。
最初に訪れたのは、気比の松原。
インターから敦賀の街中を、10分程走ると
もう到着。
静岡の三保の松原、佐賀の虹の松原と伴に
日本三大松原に数えられています。
海岸にしては、めずらしくほとんどが赤松で
海岸にそって1000m奥行400mほどの美しい
松林です。
敦賀の町を離れて、一路越前へ、
越前海岸の入口河野海岸道路です。
海岸線にそってだんだん外海に向かう海岸線の
変化が、たのしめます。
河野村から越前町にかけては、海岸線より
急角度でたちあがった絶壁には越前名物の
”すいせん”のみだれ咲き。

潮のにおいと、結構甘い香りのするすいせんの
花との、絶妙な香りのハーモニーは、春を待つ
この地方独特のものだと、思います。
いかがですか?
なんとなく、画面から越前の香りを感じ取っていただければ
幸いです。
海岸道路には、結構多くの滝があります。
これもそのひとつ河野村と越前町の境にある
白龍の滝です。
海の様子も外海らしく豪快になってきました。


小さな漁港には、おそらく一晩中はたらいたで
あろう、小さな漁船が船体を休めていました。
冬の越前といったらなんといっても”ずわいがに”
”かめきち”の毎年お世話になっている民宿を
ご紹介します。
越前町の「与三平(よそべ)」さんです。
気さくなおばちゃんが1人でやっている民宿で
まるで親戚の家へ遊びに行っているようなそんな
接待に、おもわずくつろいでしまいます。


料理も日本海の幸を、超満腹。
魚もイカも貝もコリコリ!の歯ごたえ。
かにを食べるときは、誰もが無口になると言いますが、
本当にその通り、なかなかお上品には食べられない
ものですね!


ついつい、おもいっきり食べてしまってまたまた、太ってしまいそうです。

越前町をあとにして、海岸通りをさらに進みます。
海岸にせり出した岩を、くりぬいたような、小さなトンネルがやたら多くあります。
20分ほど走ると、御恵比寿岩。
この岩がご神体なのか、岩を見下ろす高台に、恵比寿神社が、ありました。
太公望たちも、そこここに、釣り糸をたれて、いました。
さらに15分進むと、呼鳥門(こちょうもん)。
越前海岸を代表する景勝地です。
大きな岩が、海になだれ込むようにせり出し、
風と波の浸食で岩に穴がぽっかりあいた洞穴。

その穴の中を、国道305号が、走っています。
残念ながら、長い風月にさらされて、呼鳥門も、
風化が進み、補強の痕が、痛々しく安全の為
トンネルも作られています。
呼鳥門を抜けるとすぐ、銭が浜駐車場に車を止めます。
駐車場左側に窓岩。中央に潮吹き岩があるのですが、この日は、海がおだやかで、おまけに干潮と重なって、
残念ながら、”しおふき”は、みられませんでした。
右の写真は、98年に撮影したものです。
バズーカ砲のように、潮が、7〜8m吹き上がって
います。
なかなかこの豪快な風景は、条件がそろわないと
見られないのかも、しれませんね!
帰り道、かにをゆでる釜の湯気が、右に左に、ほんのり
薄暗くなってきた、裸電球の光に映え、越前の旅情を
もりあげます。
一夜干しのカレイも、おいしそう・・・


今回は、満員のため、はいれなかったので未練ですが、
与三平さんから5分ほどの所に、日帰り温泉があります。
”漁火”さんです。
海の見える露天風呂が、うりもので入浴料400円也。
かに漁は遠方に、夏場のいか漁はすぐ真近に漁火を
見ながら、露天風呂を楽しめます。

 かに・活魚料理
  民宿  与三平(よそべ)
  福井県丹生群越前町くりや
     TEL:0778-37-1777