四賀村の福寿草
長野県四賀村の春は、福寿草で始まります。
北アルプスの白銀の峰々をバックに、斜面いっぱい黄金色に咲く、可憐な花は枯葉色の殺風景な風景から
花の季節に変えるための、待ちわびた春をつげるセレモニー・・・
3月の声をきくと、雪を割るように咲き始め、3月いっぱい鑑賞することが、できます。
ピークは、お彼岸の頃。
数十万株の福寿草が咲きそろいます。


全国的に名高い群生地は、国道143号線から保福寺方面へ入ってすぐ。
小高い丘の北向き斜面 2.3ヘクタールの広さで自生しています。

福寿草は、元日草ともよばれ、万葉の昔から
春一番、新年を祝う花としてよろこばれ、
福を招く縁起の良い花として重宝がられ
親しまれています。


四賀村の福寿草は、日本の原生種のひとつ
「エダウチフクジュソウ」で長野県随一の
自生群生地として、評価されています。



3月10日〜31日
信州四賀村 福寿草まつり2002 が開催され
いろいろなイベントも開かれています。
現地をおとずれると、まず”のぼり”と”がまの穂”が
迎えてくれます。
順路は、本部ハウス?を通り抜ける所から
スタート。現地のやさい等を売っていました。

物色は後回しにして、花の散策スタート。

右の写真の左端ゴミの焼却器かと思いきや
”やきいも器”ですと、書いてあったのには、
おもわず笑ってしまいました。
きちんと整備された順路の右も左も福寿草・・・
遠くからは枯葉に溶け込んでしまって、こんなに
咲いているなんて思えなかったけれど、真近で
見ると、すばらしい群生です。
散策路はまもなく、上段へ、結構急斜面です。
来た方向を振り返ると群生地が一目瞭然。
天気がよければ、北アルプスが見えるのでしょうが
残念ながら、薄曇り山々は灰色の空の中。
残念!!

2週間前なら残雪も少し残っていたそうですが、あいにく雨で、消えてしまったとのこと。
残雪と福寿草、そして真っ白なアルプスと役者が
そろえば、絶好の被写体となったのに・・・
重ねて、残念!
四賀村に咲いたもうひとつの花。
ミス福寿草のお二人です。
今回は、接写に挑戦してみましたので、その画像
を、数枚、御紹介します。
温度計を見たら、4℃寒いはずです。
本部へもどって”おやき”で腹ごしらえ。
何度見ても、かわいい花ですネ!
駐車場より、全景を再び見ながら、今度来る時は、
3月上旬、まだ雪が残っているときに、来たいなぁ
とおもいつつ車にのりました。
次に訪れたいのは、「四賀村化石館」。
群生地から歩いても5分程度のところにあります。
こちらの目玉は、”マッコウクジラ”の完全化石。
世界でも二例目との事ですので、貴重なものです。
四賀村の地下は、今からおよそ2千万年〜1千3百
万年前(新生代第三紀中新世)、海に堆積した
別所層・青木層と呼ばれる地層からなっており、
その中からは、貝類、魚類、海棲哺乳類などの化石が
沢山発見されています。
天井からは、南氷洋で調査捕鯨により捕獲された
ミンククジラの全身骨格が展示されています。
もうひとつ有名なのは、県宝といわれている
「シナノトド」(アロデスムス)の大型哺乳類の化石
です。
トドの頭骨の左側面が、はっきり見え上下のあごが、
しっかりかみ合っています。
犬歯が非常に大きいことがわかり、たいへん貴重な
化石で、長野県の天然記念物に指定されています。


このような説明を化石館の方が、エスコートして詳しく
説明していただけました。
そっけないテープによる説明や、かんばん表示による
文字説明があたりまえの、今日この頃において、
新鮮で、考古学とは縁遠い私たちにも、よく理解する
ことができました。

それにしてもこの信州の山の中が、昔はくじらの住む
日本海の一部だったとは信じがたい物があります。

四賀村を訪ねることがあったら、パスしないで
この化石館は、必見だと思います。
あし
高速長野道、豊科ICより、最初の
信号を右折。
R19を左折JR篠ノ井線にそって
しばらく進み、上田右の標識(田沢北)
交差点を右折。
R143にあたるまで進み、大口沢を
左折。
トンネルを越え四賀村に入ると、すぐ。
化石館方面に走行してください。

豊科ICより20分
春日井より2時間30分