南信州、遠山郷に伝わる霜月祭に行ってきました。
以前から気になっていた祭で、日程があわず今年はやっと実現しました。

遠山の里に古くから伝わる「霜月まつり」は、両部神道による湯立祭りで、宮廷で行われていた祭事を模した湯立が、ほぼ原形のままで伝承されていると言われています。

またこの祭りは、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」のアイデアの基となったもので、監督はテレビでこのまつりの存在を知り強く影響をうけたとのことで、そちらの面からも興味があります。


 
 宵祭のため、昼から出かけます。中央道の馬篭付近は小雪模様
山は、うっすら雪化粧。


飯田山本ICをおりて、ずっと山道。
赤石山脈のふもと、深くV字にえぐられた川のほとり、
すっかり葉を落とした木々がエメラルドのダムの水面に映えます。
寒々しい、すっかり冬の風景です。
 
 
遠山郷では湯立神楽を行っている神社が九社あります。
そのうち旧木沢地区に六社があり、三社が和田を中心としています。
本日のまつり会場は、和田地区の八重河内尾野島正八幡宮
 
   
 
 
  御神殿と本日の主役、よろずの神々にお湯を献上する湯釜です。
狭い神社内は焚火の煙と湯気でむんむん


神主さんと地元氏子さんとで、すでに神事は始まっています。
   
   
   刀を抜いての舞
神々についてきた悪霊を追い払うものとされています。初めは鈴と扇、次に鈴と剣(刀)を採って舞います。激しい動きの伴う勇壮な舞です。

湯釜を取り囲んで神々に呼びかけます。
   
 
   
神名帳を読み上げ、全国および村内の神々に湯を捧げます。
「○○様へお湯召す時のおみかげこぐそ」と唱えながら湯木の先を釜の湯に浸します。

白山神社様 秋葉様 津島神社様・・・・
神社の神様が読み上げられ、各々湯釜に御招待

知った神社の名前があがると、なんとなく嬉しく思われ、次は
どなたか興味深々。
 
   
 煙い! 煙い!
16:20 一旦外へ出ます。
霜月の落日はつるべ落とし
山は夕日にそまり、おひさまは西の谷間へ
 
   
 17:00からは子供たちの舞
伝統をしっかりうけついでもらいたいものです。
 
   
   
 19:00 神事が始まります。
よろずの神々をよびだして、お湯の御接待
 
   
 
  21:00 主役の面が登場
まずは水の王様

どん どどん  どん どどん

太鼓の音にあわせて、威厳を振りまきながら・・・
ゆっくり ゆっくり 力強く湯釜の周りをまわります。


 
 
 ゆっくり ゆっくり 威厳を振りまきながら・・

どん どどん  
   
 湯釜をまわること4周目 そして・・・ついに・・・・
煮えたぎる熱湯を手ではらいます。
 
 
 
 
 残念!
せっかくノーフラッシュで撮ったのに
決定的瞬間にストロボでハレーションをおこしてしまって
少し不満ではありますが、ま、しゃ〜ないか!
 
社の中は湯気でもんもんと 
 


御招待された、神様たちです。
湯釜の周りをゆっくり、ゆっくり 回ります

火の王様が
威厳を表し、のっし、のっし
八幡大神様が
いばって、いばって のっし、のっし

 
   
   
   
   
 そして猿の登場

何度もとびはね、勢い付けて見物客の中へ、ダイブ

やんや、やんやと見物客をわかせます。
 
   
その次はばあさ・じいさの登場
物語になっていて、ばあさとじいさがお伊勢参りに行く途中に
たちより、湯を使うことによってじっさの腰はのび、ばあさのしわは
のび、元気になってふたりで抱き合って帰るとのことでした。

ばあさが榊を湯につけ、観客をたたいて回ります。
ばあさにたたかれると御利益があるとか・・


かめきちも3回ほどたたいてもらいました。
なぜか結構心地よいですヨ! 
 
   23:00

まだまだ祭はつづきます。
このあと客にも面をかぶらせてもらえるとか、神様のお帰りの
祭事があるようですが、今日はこれにて帰ることとしました。
 
素朴な寒村の伝統行事にふれ、村人とふれあいながら楽しむことができました。
大きな有名なお祭りに比べ、こじんまりとした村のお祭りですが、よそ者でもあたたかく受け入れていただけ、祭に参加しているという
一体感を感じることができ、ただの見物客ではなかったと思いました。
また、もうひとつの木沢系の霜月祭りはタイプがちがうようです。
来年はぜひこちらの霜月まつりに参加してみたいと思います。

最後に水の王の湯切りでかめきちが、まともにお湯をかぶった瞬間の写真を御紹介します。
まともに、直撃を受けました。熱かったけれど体もカメラもびしょびしょになったけれど、きっと御利益があることでしょう!

 
   
 
撮影 2014年12月15日