白川郷・五箇山の合掌集落


 世界遺産、白川郷・五箇山の合掌集落。
かつては、5〜6時間もかかったこの山奥の山村も、東海北陸道開通により、わずか2時間半程度で
行けるようになりました。
4月の末、この地方はやっと雪もとけて、殺風景なモノトーンの氷の世界から、やわらかな
パステルカラーの世界へと変わろうとしています。
待ちに待った春。
山桜も、よしの桜も、ひがん桜も待ちかねたように、みんないっしょに咲きます。










この日は、朝から雨。
昼からは、回復するとの天気予報を
信じて、でかけます。
ひるがのSE付近
雲が山すそをあがっていきます。
しらかばも、芽吹き始めたばかり・・・


荘川ICより車を走らせること、15分
左手にダム湖が見えてきます。
御母衣ダムです。
橋を渡ってしばらくいくと、湖を見下ろすようにそびえる
2本の巨木が・・・・

県指定天然記念物”荘川ざくら”です。

この、荘川ざくらの歴史を少し調べてみました。
樹齢400年と推定される老木2本は、ダム建設に伴い水没する運命にあったけれど、ダムの底に沈む
240もの世帯のかわりに、せめてこの”さくら”だけは救おうとの運動から、
光輪寺の桜が、35トン、照蓮寺の桜が38トン。世界でも類を見ない、巨木の移植作業が実行されたのです。
当時、昭和35年、水没する村を見下ろす高台に移植された、2本の桜は、枝も全部取り払われて、惨めな姿
だったと記録されています。
そして、村人達さえ、二度と花を咲かせることはないだろうと、悲しんだ桜が、村が湖底に沈んで10年たった
昭和45年みごとに奇跡の復活をとげ、花を咲かせたのでした。



そんな歴史を持つ”荘川ざくら”
駐車場で、交通整理をしていた地元の方の話では、
「去年は、花が多かったのに今年は極端に少ない
ここ数年、花の多い少ないは1年おきだなぁ。」
とのこと、そこへこの雨。
・・・・・
今年は、あきらめて来年に期待しましょう。

大きなロックフィルダムを見ながら車を進めます。
山の両側からは、雪解の水を集めて滝川となり
ごうごうと音をたてて、湖に流れ込んできます。

やがて左手に合掌づくりの家が見えてきました。
最初にお目見えの合掌づくりは、旧遠山家民俗館


これが見えると、合掌集落まであと10Km。

まもなく、荻町集落にはいります。
雨はまだやまず、デジカメのレンズにも容赦なく
水滴が・・・
ヤバイ!
駐車場脇でみつけた花
これもさくら???
少し雨も小降りになってきました。
かさをさして村を散策することに・・
明善寺の鐘楼です。NHKの行く年来る年でたしか
中継された、記憶があります。
屋根はもちろん萱ぶき。

手前の巨木はいちい
田植えを待つばかりの水をはった田んぼ。
雨で散ったさくらの花びらがと水面に写った
みやげもの店のシルエットが印象的でした。

ところで、”合掌づくり”という名前はどこからつけられたか、ご存知ですか?
木材を梁の上に、手のひらを合せたように山形に組み合わせて、建築されている事から、そう呼ばれ
屋根の両端が、本を開いて立てたような、勾配の急な三角屋根が特徴で、
あたかも空に向かって、合掌しているかのごとくその姿は、積雪が多くしかも重たい、白川の自然条件に
実によくマッチしています。
この白川の方式は特に「切妻合掌づくり」とよばれています。
雨があがりました、
こちら集落が一望できる、展望台です。
かつての、内ヶ島家家老の居城跡です。

ここから見ると、集落の全てが同じ方向を
向いているのに気がつくと、思います。
南北に面して建てられた住居は、風の向きを考慮して
抵抗を最小限に抑え、屋根に当たる、日照量を調節して
夏は涼しく、冬は温度が保たれる、配置となっています。

昔の人の自然に対する知恵はすごいですね!

白川郷に分かれをつげて、高速にのらず”道の駅白川郷”から、国道を走ります。
ずっとくだりの道で、トンネルとなっています。
途中、道路標識を見ていると、岐阜県から富山県にはいったかと思うと、又岐阜県そして又富山県と数回
くりかえします。
おもわず笑ってしまいました。
しばらく走ると左手に、みずばしょうの大群が、
あわてて車を止めると、そこは、合掌家屋最大の岩瀬家
ほんとうに大きな家です。
さらに足をすすめ、五箇山ICをすぎると
青少年旅行村・合掌の里へ到着。
この合掌の里は、キャンプ村を併設し、古い移設された
合掌民家は、コテージとして、宿泊できます。
トンネルを抜け歩くこと7〜8分菅沼合掌集落へ到着。
トンネルの中では、ビデオでむかしばなし等が
紹介されていました

菅沼集落は、すぐ隣に駐車場もありますが、できればこちらのコースをおすすめします。
のんびり、鳥の声を聞きながら、庄川のせせらぎがかすかに聞こえ・・・・
道には、にりんそうが咲いていました。
白川郷とくらべて訪れる人も少なく、しかも観光地化しておらず、むかしながらの本来の農村風景といった感じ。








つづいて向かうは、相倉集落。
菅沼から15分くらいでしょうか・・
3個めの世界遺産集落です。

民俗館の中は、昔の生活道具類や衣類
農機具類などが展示され、どこからか、この地方の
民謡の”こきりこ”のテープがきこえます。

いままで、白川郷は何度も、いったことがあるのに、五箇山は初めてでした。
かめきちとしては、素朴でかつ、一番生活のにおいが感じられたのは、相倉集落かなぁと思います。
でも、それぞれ特徴があり、甲乙つけがたしといった感じ。
今度は、ぜひ秋にきたいなぁと思います。
かめきちと同じ、白川郷だけという人きっと多いはず。
ぜひ今度は、五箇山まで足をのばしてみて下さい。きっと新たな感激があるはずです。

撮影2003年4月30日