しでこぶし

 
 今回は、絶滅が危惧されている、”しでこぶし”をご紹介します。
”しでこぶし”は、愛知県、岐阜県の一部のかぎられた地域のみに自生する、モクレン科に属する日本固有の
遺存種で特異な分布型の植物です。
 花期は、里のサクラがちらほら咲き始めた3月下旬ころ、一足早く、満開になります。
そんな貴重な自生地、渥美町をたずねました。
 




田原の町をすぎR259を、車を走らせること20分。
国道の右側に海が見えてきます。
伊川津の町から左折、一面のキャベツ畑の中を
ひたすらまっすぐに・・・・。

県指定の天然記念物「伊川津の”しでこぶし”」です。
自然のままの小川のほとりに、可憐に咲いています。

場所が変わって、こちらは椛(なぐさ)の”しでこぶし”
さきほどのキャベツ畑の真中のアプローチロードの
反対側、約900m南がわにあります。
駐車場から林越しに見える群落は、真っ白。
椛(なぐさ)の”しでこぶし”は国指定の天然記念物です。


さほど広いとは言えない湿地内に約200株が群生
しています。
白っぽい花やピンクの強いものといろいろ・・・・
花弁も13枚から18枚とそれぞれ・・・

もくれんに似た甘い香りが漂い、春先の枯草色の山の裾野に春をつげる花”しでこぶし”
その可憐な姿に、花好きの方ならきっと感激していただけると、思います。
東海地方だけでしか御目にかかれない花。
しかも群落となると、希少価値のある場所ではないでしょうか・・・・


ここからは、おまけ です。






椛を後にすると渥美半島の先端伊良湖岬はすぐそこに・・
国道ぞいに、渥美名物”菜の花”が黄色のじゅうたんを
広げています。

2月から咲き始め、どこよりも早く春を告げ
時期をずらして栽培してあるので4月末まで花の絶える
時は、ありません。




伊良湖ビューホテル下から見下ろす太平洋は
いかにものどかな、春の海といった感じ・・・
撮影 2003年3月29日