雨にけむる天空の里(遠山郷)

 久々の平日休み、大学時代の友達のS君をさそって南信州の遠山郷へ行ってきました。
かめきちにとっては、北アルプスと中央アルプス方面にはよく出かけるのに対して、南アルプスといったら、ほとんど行ったことのない
未知の地域。

秋にはぜひ。行きたいなぁと、ひそかにたくらんでいた場所がここ遠山郷なのです。

思い立ったのが例のごとく4日前、計画段階では天気も晴れ時々曇りで良かったはずなのに・・・・
ブツブツブツ・・・前日になると予報は、なんと無情にも曇りのち雨。しかも梅雨前線が北上してくるとか・・・ブツブツブツ
でも、友人も自分とまったく同じ性格をしているので、中止の話はまったく出ず降れば降った時サ!とばかりに強行出発。






飯田インターを降りたのが9時少し過ぎ
アップルロードを一路、南アルプスへ
でも、やはり目の前にせまるはずの山々はうっすら稜線が
見えるだけで、下の方はガスの中。

30分後かんばんを見つけて早くも脱線。
九十九谷公園入り口?
ストップストップ!
もしかして、クリンソウの九十九谷森林公園かな?
ネットでもう終盤との情報を見ていたけれど
どんな所かのぞいてみようか!
来年のためにも・・・・・てなわけで道草決定。



高台からふりかえると中央アルプスも雲の中
飯田の街もガスの中。
駐車場には車が一台もなく
やっぱり感が漂うも坂をおります。

わずか100m。整備された木道が見えそのまわりには
咲いてる、さいてる、クリンソウ。





ラッキーまだ痛んでいないや!


誰に気を使うわけでもなく、誰にじゃまされるわけでもなく
ふたりとも、木道にディバッグを放置したまま
写真に夢中。


ここのクリンソウは、黄色い花がめずらしい
初めてみました。
クリンソウの名前の由来は、
くきを伸ばしながら、下から段になって次々に咲き、
輪生する花の何段にもなった様子が、お寺の五重の塔などの頂上にある柱の飾り”九輪”のようにみえるのでこの名前になったそうです。
あっという間に1時間経過
本命の目的地に移動しなければ
ここだけで終わってしまう・・・・・・

まだ奥があることはわかっていたけれど
駐車場へ引き返すことに・・・・



車の後ろの雑木林の中に天然のラズベリーめっけ!
3粒ほど、ゴチになりました。  あまぁ〜ぃ!
矢筈トンネル手前のループ橋
行く手に南アルプスの山が見えます

矢筈トンネル入り口。
4176m へぇ〜 結構長いや・・


先ほどから降り始めた雨がちょっと大粒になってきました





交互通行のトンネルをくぐると
まもなく上村

今日は助手席で楽をしています
国道をはなれていよいよ下栗の里へ
ひのき林の中を進みます。






やがて・・・・
景色が開けて・・・・・・・・・・・・・・・



へばりつくように家が建っています。
斜度は38度以上とパンフには書いてあります
昔、スキーで30度の坂といったらまっさかさまに見えて
足が振るったものでしたが
よくもまぁこんな急坂に家や畑を作ったものです。


日本の三大秘境とも
日本のチロルともいわれていますが・・・・・



予想以上のその姿に感激!



農産物を運ぶのにつかうのでしょう
モノレールのレールが急坂にはりめぐらされています。

雨は相変わらず降っています
でも雨に煙る山里風景もなかなかでしょ?

ちょどこのとき、12時を知らせるミュージックサイレンが・・・・・



対向車が来たらすれ違うのはとても無理
超くねくね道がつづきます。

やがて村の唯一の駐車スペースはんば亭
ここで昼食をと思いきや・・・定休日でした。
左上にわずかに、兔岳と聖岳の姿が
天気が良ければ素晴らしいでしょうね・・・・


今日はそれは、い・わ・な・い・・・






この後、一気にガスってきました
次はしらびそ高原の方へいってみましょう







南アルプスエコーライン
決して広いとはいえない道、落石が路上にごろごろと

どんどん標高があがります
白樺の林がきれると、前方に兎岳・聖岳が姿を現しました。
このエコーラインの横に位置する御池山は数年前に
一躍有名になりました。
平成15年9月といえば、わずか5年弱前
地元の小学校の教頭先生の地道な研究成果が実って
国際シンポジウムにて日本唯一の隕石クレーターとして認定された
ところなのです。
総合案内板のある平地からクレーター中心方向を写してみましたが
よくわかりません
そこから10分
ハイランドしらびそ標高1918mにたつ宿泊施設です。

立派なたてものです
展望風呂からは南はもちろん中央・北アルプスも見渡せるとか
えぇ〜っ  全部じゃん・・・・・

又、来よ・・・・秋に絶対来よ〜。


やっと、昼食にありつけました。
半袖のトレーナーだけだったので、体はガタガタ。あたたかい山菜そばが、おいし〜ぃ。
それと、名物という二度芋の田楽。地元産のじゃがいもを串に刺し、えごまかな?甘めのみそをつけて焼いたもの
複雑な味がしました。素朴でおいしかったです。
本格的に降ってきたので引き返すことにします。
しばらく行くと、行きには見落とした、ビューポイント
クレーターの全景が見渡せる唯一の場所とのこと。





残念ながら・・・・・素人目には・・・・ただの山としかみえません。




再び下栗の里
さっきとは違った方向からのぞいてみましょう。


すごい所でしょ?
朝日が下から当たる里というのがわかる気がします。

もう一か所絶景ポイントが調べてあったのですが、
道の崩落のため行けませんでした。















ずいぶんと降りてきました。
はるか下に見えていた、遠山川が近く見えます。

見上げればあんなところに家が!。
やっと下界へ降りてきました。










次なるは、なつかしい木造校舎の旧木沢小学校










初めて訪れるのに、なぜか昔通った母校のようななつかしさを
感じませんか?。
この校舎には
こんなセピアのタッチが似合いますよね!
さて時間も5時過ぎとなりました。
仕上げは、もちろん、おんせん、温泉!

今日はかぐらの湯
ちょっぴり硫黄のにおいがして、ちょっとしょっぱい
なかなか、かわった温泉でした。


一緒に二人だけで遊びに行くなんて本当に何年ぶりでしょう。昔はよく行ったのに・・・・萩・津和野とか・・・高速も使わずに下の道を・・・
一晩中交代で走り続けて・・・
あれから、30年以上になるんだよね当然。
でも旧友ってのはやはり最高。いくつになっても学生時代にもどれてバカやれるんだから・・・。

古いものを大切にというのは、今日行った下栗の里だってそう、今でこそ日本の原風景をとどめているけれど・・・・。
10年、20年先にはきっと俗化されてしまうんだろうなぁ・・・と思いつつ・・・・

それにしても、今回の旅行はお天気こそさんざんだったけれど、素晴らしかった。
今までにない感動を覚えた・・・・
負け惜しみじゃなく、雨にけむる山村の日本の原風景もなかなか、ねらって見れるもんじゃないから
秋には絶対に又、来ようと改めて思い帰途についたのでした。

撮影2008年6月2日